「あ、彼女?ったく、見せつけてくれるね」 なんて、亮が楽しそうに笑うから泣きそうになる。 「唐渡さんこそ、可愛いかの────」 亮、女の子と一緒なんだ……。 「えっ?」 孝太郎が驚きの声をあげる。 「陽菜、ちゃん………?」 えっ? 私は思わず振り向いてしまった。 振り向いた先にあったのは、亮の驚いた顔と… ………ばつの悪そうな顔をした陽菜だった。 「どういうこと……?」 私は状況が理解できなくて、咄嗟に走った。 「「茜っ!!」」 私を呼ぶ声がしたけれど、振り向かなかった。