「茜、大丈夫?」

「……うん。ちゃんと伝える」

茜は下唇をキュッと噛んだ。



そして、決意したように切り出した。

「…浴衣の着付けとメイク、お願いできる?」

「え、いいけど、どうして?」


着付けはともかく、メイクなら茜だってできるんじゃ…?


「そーゆーの、2人のほうが得意でしょ?

 きちんとして、孝太郎に会いに行きたいの」


それがきっと、茜なりの向き合い方なんだね。



美咲が茜の手を握る。

「私たちに任せて。最高の茜にしてあげる」

2人の手の上に自分の手を重ねる。