「さて、と」 茜と陽菜はどこへ行ったのだろうか。 スタンドに戻ったなんてことはないと思う。 「…………………っ」 球場の外の水道のそばで、私は足を止めた。 清新の部員だと思う。 背番号は、1。 その人は、水道の蛇口からでた水を頭からかぶっていた。 蛇口の水を止め、顔を上げたとき。 彼の目は赤かった。