「ごめんっ。昨日寝ちゃって」 申し訳なさそうに、手を顔の前で合わせて謝るアイツ。 「…………」 「あんまり怒るなよ。な?」 「約束、したじゃん……」 付き合い始めたばかりのころ、普段はなかなか会えないから、そのかわり毎日電話をする。 そんな約束をした。 色々な感情が心をぐるぐるまわっていて、余裕がなかった。 「亮なんて、きらい……」 そう口にしてすぐに、はっとした。 アイツはひどく悲しそうな顔をした。 そして、短くこう告げた。 「俺たち、別れようか」