その日のことが別れた直接的な原因ではない。
でも、きっかけではあったと思う。
その日以来、私は罪悪感からか、アイツの前で心から笑うことがほとんどなくなった。
アイツは、いつも通りに接してくれていた。
でも。
いつの間にか私に向ける笑顔が、困ったような表情に変わっていった。
私はそれも辛かった。
大好きなアイツの笑顔を歪ませているのは…
…………私。
でも。
アイツを思う気持ちは変わらなかったし、誰にも負けない自信があった。
アイツも、私のことを好きでいてくれた。
だから、ギリギリのところで私たちの関係は保たれていた。

