「間に合わなかったな。

 お前に投げてるとこ見せてやれなかった」




「うん」




「亮みたいにカッコ良くなくてごめん。

 アイツは約束守れるのに」




「うん」




「野球、もっとしたかったな………」




ギュッ



何も言わずに、雄介の手を握った。


雄介の手は、微かに震えていた。