おじさんは構わず怒鳴り散らす。
清新の野球部員は黙っていた。
辛いはずなのに、ぐっと堪えていた。
「この野郎っ!!」
おじさんが拳を振り上げた。
ガッッ
殴られたのは……………亮だった。
おじさんとピッチャーの間に立っていた。
「もう、やめてもらえませんか」
口元に滲んだ血を手の甲で拭いながら、静かにそう告げた。
「キャプテンの俺がしっかりしてなかったせいです。応援していただいたのに、申し訳ありませんでした!」
深々と頭を下げる亮を見て、ギャラリーはおじさんを批判し始めた。
さすがにおじさんも居心地が悪くなったのか、すごすごと去っていった。

