「死ぬときは手を握っていて欲しいの。」
薫さんはその願いを言った後ひどく震えていた
強がった笑顔も今にも崩れそうで儚くて
「もちろん」
ヨキは頭をクシャクシャと撫でていた
それから最高寿命まで
ひたすら白線をたどっては
鼻唄をうたっていた
「薫ちゃんそろそろくるよ」
ああ、もうそんな時間か
思わず俺まで心臓が痛くなってきた
怖くてたまらなかった
「そっか。」
薫さんはんーっと背伸びをして
深呼吸をしていた
ヨキの手をギュッと握って
周りから不審に思われないように
ポケットにいれた
「薫さんっ」
そう息を荒らげながら
刃物を持った
昨日店にいたスーツのお兄さんが駆け寄ってきた
え、待てよ、
こいつがストーカー......??

