最高寿命二週間の生活記録



「死ぬときは手を握っていて欲しいの。」

薫さんはその願いを言った後ひどく震えていた

強がった笑顔も今にも崩れそうで儚くて

「もちろん」

ヨキは頭をクシャクシャと撫でていた


それから最高寿命まで
ひたすら白線をたどっては
鼻唄をうたっていた



「薫ちゃんそろそろくるよ」


ああ、もうそんな時間か

思わず俺まで心臓が痛くなってきた

怖くてたまらなかった


「そっか。」

薫さんはんーっと背伸びをして
深呼吸をしていた

ヨキの手をギュッと握って
周りから不審に思われないように
ポケットにいれた


「薫さんっ」


そう息を荒らげながら
刃物を持った







昨日店にいたスーツのお兄さんが駆け寄ってきた


え、待てよ、



こいつがストーカー......??