薫さんは
立ち上がったと思えばいきなりベッドにダイブした
「あーあ!!」
体全体をジタバタさせ始めた
しばらくすると満足でもしたのか
すっと立ち上がり
「今から着替えるから!死神さん出てって!!」
そういいながらヨキを追い出した
俺も焦って出ていった
いや、綺麗なお姉さんの着替えを見たいのは山々だが
後でヨキになんて言われるか考えただけでムカつくので
紳士な俺は見ないことにした
しばらくすると薫さんは部屋から出てきた
それからヨキに話しかけることなく
下に降りて
家族が作ってくれたのであろうご飯をもくもくと父親と母親らしき二人が花屋で仕事をしているのを
横目に食べていた
たまに涙が頬に垂れていたのは
ヨキもきっと
気づいていたはずだ

