ああ、きっと泣かしてしまうだろう
それでも俺は恵から目を離すことなく
恵を見た
暫くして恵は顔をあげると
ふにゃっとした笑顔で
俺をまっすぐ見て
「私でよければ、お願いします。」
“えっと、返事だよね”
“……うん”
“俺でよければ、お願いします”
“こちらこそ、よろしくね”
卒業式のあの日を、あの時を走馬灯のように思い出した
ああ。あの時と同じだ。
「こちらこそ。よろしく」
そう言うと恵は笑顔で頷いた
涙がでそうなほど愛おしくて。
あの日が懐かしくて
出来ることなら戻りたい。
恵とまた会えるなら何回でも卒業式のあの日からやり直してタイムスリップみたいに
その繰り返しをしたい。
できることがないのに
今だけは。
そんなことを切に願ってしまった

