時刻は11時ちょい前。
少しかじかんだ手で恵の家のインターホンを押した
恵家から少し急ぎ足の足音が聞こえた
それがだんだん近くなって。
もう壁一枚奥にはきっと恵はいるんだろうな
ってところまで足音が近くなって。
あ。そろそろドア開けるんだろうな、
そう思うと緊張して
今頃髪の毛のセットできてるかなって
手でチェックした
…………ガチャッ
「おまたせ。ごめんね迎えに来てもらっちゃって」
「いや、平気だよ。家近いし。」
徒歩で二十分弱の距離は
きっと一般的には近いとは言わないのだろう。
恵は何も言わずへラッ笑った。
「とりあえず、行こうか」
そういい恵の手をとって歩いた
真冬に二十分も歩いていたから、手は既に冷たくて
さっきまで家にいた恵の手は暖かくて、柔らかかった。

