とりあえず恵に電話した。
超健康体の恵がこの時間に起きていることなんて把握済みだ。


躊躇なく電話した割りに
いつもより出るのが遅くてそわそわしていた。

ーーーープチッ


「もしもし」

そう電話越しから聞こえる恵の声が
好きで、愛おしくて
思わず泣きそうになるくらい
嬉しかった。


「あ、もしもし、今日11時に迎に行っていい?」


「うん。ありがとうね。」


「じゃあまた後で」



ーーーープチッ


よし。支度するか。



いつもより時間を掛けて髪の毛を整えて
いつもより時間を掛けて支度をした


気付けばもう10時で
家を出ようとしたら
リビングに母さんがいた


「あれ?仕事は?」


「おはよー。今日は遅番。」



少し気だるそうにいかにも寝起きと言わんばかりの顔をしていた