恵は黙って珈琲を俺に出してくれた
「ありがとう」
「いえいえ、」
お互い話を切り出さず
沈黙が続いた
薫さん達は
俺にどうしろって言うんだ
素直になれって
そもそも、俺はどうしたいんだろう
きっと別れたらもう恵とはコレで最後になるんだろうか
もう二度ときっとあわないんだ
こんな事になるくらいならーーー
ー付き合わなきゃ良かったのか??ー
「ーー幸太君??」
俺はハッと現実に引き戻された
「どうしてそんな、辛そうな顔するの??」
ああ、俺、辛いのか
恵と別れる事が
もう二度と逢えなくなる事が
こんなにも辛いんだ
「……………幸太君を苦しめてるのは…そこにいる、人なの??」
「え??」
恵は真っ直ぐヨキを指さした
ヨキと俺は顔を見合わせた

