最高寿命二週間の生活記録




「あ、伝言。伝えますね」


「ああ、そうだったね。すっかり忘れていたよ」


ハハッと、笑う亮さんは目は笑っていなかった


やはり。怖いんだろう。


「ごめんね。ありがとう」


「……え?、それだけ??」


「はい。」



そういうと一瞬ポカーンとして
力が抜けたのかハンドルに頭を置く亮さん


「なんか薫らしいといえば薫るらしいけど、30年も待たせてそれだけって……」



「薫さんも、後悔してましたよ。亮さんにちゃんと言うべきだったって。例えペナルティで記憶を消されてしまっても、言うべきだったのかもって言ってました」


「……そうか。」


「そうすれば、あの人を泣かせずに済んだのかもしれないと。言ってました」


「……馬鹿だな。そんなこと気にしなくてもいいのに」


「本当に好きだったんだと思います」



「そうか。幸太はもう家に戻りなさい」



そう手でしっしとする
泣きそうな亮さんをおいて家に帰るのは良くないことだと思いタジタジしていたら

「男の子は人前でよほどのことがない限り泣いちゃいけないんだよ。だから、早く帰りなさい。幸太も人前でなくなよ?」


あ、あの時気づいてたんだ


「……はい。今日はありがとうございました。」


そう軽く頭を下げた

「こちらこそ、本当にありがとう。幸太のバックに俺の連絡先が書いてある紙を入れといたから、絶対に何かあったら、連絡してきなさい」




いつのまに入れたんだろう……
そう疑問にも思うが
その優しさに泣きそうになりながらも、ぐっとこらえ車から出て
車が見えなくなるまで見送った










薫さん
貴方もちゃんと、亮さんから愛されてましたよ