そのあとは結局、いつものようにウダウダになってしまい、もう何に怒っていたのかわからなくなってきていた
でもさっきまで落ち込んでいた沢城くんがいつもの沢城くんに戻って少しだけ安心する
その日はそのまま帰ろうと、教室から鞄を取ってきて、いつものように手を繋ぎながら帰っていると、わたしは不意にあることを沢城くんに聞いた
「ねぇ、沢城くん」
「なんですか?」
「沢城くん、試合に負けたときにさ、本当にわたしのご褒美のことだけで落ち込んでたの?少しでも負けて、悔しかったって気持ちなかった?」
例え理由が不純だとしても、試合中の沢城くんは一生懸命で、だから負けたときにただあの場で動かなくなって、ただ立ち尽くしているだけの沢城くんの姿を見て、わたしは確かに胸が痛くなった
頑張っていたことで負けるのは誰だって悔しいはず
だからそのあと、沢城くんのあまりにも不純な動機を知った後そういうことも有耶無耶になってしまったが、実際のところどうなんだろうかと思い聞いてみた
沢城くんは少し困ったような表情を浮かべ、あまり話したくなさそうに見えたが、ぽつりぽつりと話し始めた
「実を言うと俺、そういうのよくわからないんです」
「えっ…」
「何かを一生懸命にやったことがなかったもんですから」

