沢城くんの頬に軽くキスをして、わたしはすぐに唇を放した
試合が終わってからそんなに時間が経ってなかったせいか、汗で沢城くんの頬は少しだけしょっぱかった
キスしちゃったよ~、自分からしちゃったよぉぉ
大胆な行為を終え、赤くなった頬を手で押さえながらその場にしゃがみ込んでいると、急に目の前に影が落ちたので、上を向くと何故か不服そうな沢城くんがわたしを見下ろしていた
「…なんですか、今の?」
「…ご褒美のキス…ですけど?」
そう言うと、さっきまでの笑顔が消えた沢城くんはわたしの両肩に腕を置いてきた
…ん?
「だ、だだだだって沢城くんがキスして欲しいって…!!」
何か怪しい雰囲気になってきたので、必死にそれから逃れようとするが、いつも通り無理だった
「先輩、ほっぺちゅーはキスのうちに入りませんよ」
「えぇっ!?そ、そんなの言ってなかったって…ひゃっ!」
徐々に近づいてくる沢城くんの顔から逃れるように顔を俯かせると、沢城くんはわたしの耳元に息を吹きかける

