な、なんて子だ!なんて子だ!!
まさかそんなことであんな哀愁を漂わせていたとは、吃驚だよ!!
わたしはてっきり、試合に負けたから本当に落ちこんでいると思ってたのに、だからわたしも少し悲しかったのに…のに…
まさかそんなことをずーっと考えていたなんて!!
「ガッカリだよ!!」
「何でですか?!せっかく、ひなの先輩からキスしてもらえるチャンスだったのに…はぁぁ」
本気で落ち込んでいる
もぉぉぉ、沢城くんは!!
あまりにも裏切られた気分なのでぶーっと口を膨らませていると、沢城くんは『でも』と口に出す
「先輩にカッコよかったて言われて、俺すっごく嬉しかったです」
顔を少しのぞかせながらそんなことを言う沢城くんにウッと言葉を詰まらせる
た、確かに試合中の沢城くんはとってもカッコよかった
最後の試合なんて取れないボールを必死に追いかける姿には胸を打たれたし、ゴールを打つ瞬間とかも思わず手に汗を握ってしまった

