もちろん沢城くんのクラスが勝ち残ったのだが、相手のチームは3年生で、1年の男子生徒の体とは比べ物にならないぐらいしっかりしているので、試合は3年生チームのリードから始まる




沢城くんを徹底的にマークしているようで、沢城くんの方にパスを回せないようにしたり、ボールが回ってきてもすぐに奪われてしまうなど、完璧に1年生チームは不利な状況に陥った




ど、どうしよう…このままじゃ負けちゃう…




ご褒美の件はともかく、何故だろう沢城くんの負けた姿を見たくないと思ってしまった





勝って、お願い勝って





祈るように試合を、沢城くんを見ていたが、どうやら神様は意地悪のようだ







*
*




決勝試合は3年生チームの圧勝と終わった




結局最後まで沢城くんはマークされ続け、思うように動けず、シュートも中々決まらなかった




他のチームメイトたちの子たちも頑張ってはいたものの、やっぱり体格差というか実力差というものがあり、結局は試合には勝てなかった




それでも1年にしてはよくやったと周りの人たちは言うが、それでも彼からは負けてしまったのだ




今日のソフトボールの試合を負けたときはそこまで悲しくはなかったけど、どうしてだろう、自分の試合でもないのに、今とっても泣きたい気分だった