お察しの通り、今日、この六条宮は球技大会であり、朝からそこら中で試合が行われている
六条宮は結構大きな高校で、体育館やグラウンドもそれぞれの球技ごとにあり、生徒の数も多いので、何種目も出る生徒にとっては結構ハードな一日である
かくいう俺も、球技種目を決める際のホームルームで爆睡していたおかげで、バスケ、バレーボール、サッカー、この体力が大幅に削がれていく3つの球技に出る羽目になった
そしてさっき男子バスケの第二試合が終わり、バレーボールの初戦が行われる僅かな間にひなの先輩が参加するソフトボールの試合があると聞きつけ、一目彼女を見ようと、体育館からグランドまで猛ダッシュしたわけで
ひなの先輩、可愛いなぁ…
たぶん打順から見ても、特に期待されているわけでもないのに、あんなにやる気満々で、小さい体で頑張っている姿、本当に癒される
「おい、沢城。お前、そろそろバレーの…」
「うっさい、黙ってろ。阿呆」
後ろから新庄が声をかけてきたが、それを一蹴して、またグラウンドに視線を向ける
ひなの先輩の打順がきたのか、バッターボックスへと移動するひなの先輩はどこか危なっかしく、相手のキャッチャーも何やら心配そうだ
頑張れ、ひなの先輩
バットを構え、真剣な表情でピッチャーを見据えているものも、やっぱりひなの先輩から滲み出る可愛さオーラ