「おーい、沢城…って、早っ!!」
後ろから俺の名前を呼ぶ声が聞こえてきたが、そんなものは無視
自分の持てる限りの力で走ったが、やはり間に合わず、その場所には既に人だかりが出来ていた
くっそ…
相手チームが女子ソフトボール部のエースってだけなのに、何故こんなに人だかりが出来ている
そのせいでここからじゃグラウンドの様子がまったく見えない
だから尚更あの人を視界に入れるのも難しい
なんとかして前に行こうと、人混みを掻き分けるが、中々前に進まない
このままじゃひなの先輩の打順に間に合わないっていうのに~~!!
やっと先頭に出ると、ちょうどひなの先輩の打順なのか、やる気満々の彼女がバットを持って、素ぶりの練習をしている姿が見えた
ま、間に合った…
とりあえずホッと一安心し、今行われている女子のソフトボールの試合を観戦することにした
もちろん見ているのはひなの先輩だけだけどな