しかもキスというのは唇と唇が重なり合うだけのほんの数秒間の間だけの行為だと思っていたのに、全然違った




唇が軽く重なったと思うと、沢城くんはわたしの顎を持ち、深い口づけをしてきた




本当に初めてなので、いきなりこんなことをされるとどうやって息をすればいいのかとか慌てていると、突然唇が離れ、わたしを堪能するかのように唇を舐めると、また息が出来ないぐらい深い口づけを落とす




恥ずかしさと、息苦しさで、完全に思考が停止状態になったわたしは暴走した沢城くんにされるがままの状態




暫くして、もう限界!!と完璧に酸素不足になったわたしは沢城くんの胸板を何度も叩き、やっと解放され、新鮮な空気を肺の中に入れる




「あの…はぁ、さ、沢城…はぁ…」




わたしは息苦しくてぜぇぜぇ言っているのに、沢城くんはけろっとしていて、とっても満足そうな笑顔で、机の上にある眼鏡をかける




「ごちそうさまでした、先輩」




目を細めながら、不敵な笑みを浮かべる彼はやっぱりただのいい子ではなく、一紀ちゃんの言う通りの下心の塊なのかもしれないと




これからはもっと気を付けるべきだと、わたしは改めて思ったのでした





そしてやっぱり後日、この日のことを思い出すたびに顔が真っ赤になってしまうという状態になってしまったわたしであった