「でも、吃驚だよ…沢城くんってそんなに視力が悪かったんだね」
「はい。両目合わせて0.1もないんです。これを外してしまうと何も見えなくて…」
眼鏡をかけた沢城くんはうん、やっぱりとってもかっこいい
さっきまでボーっとしていたが、頭を打ち付けたせいですっきりしたのか、いつもの沢城くんだ
「だから眼鏡がない状態で指が何本あるかと聞かれても答えられないんです。本当に見えないから」
「へ、へぇ~…そうなんだぁ…」
そう聞くと、沢城くんには悪いがまた好奇心が心の中で疼いた
ほ、本当に見えないのかなぁ…
そんなわたしの心を読んだのか、沢城くんはこう尋ねてきた
「…試してみますか?」
「えっ、いいの?!」
「はい、別に減るもんじゃありませんし」
沢城くんは眼鏡を外し、わたしに向き合った

