どうやらわたしの声で目が醒めてしまったのか、沢城くんがゆっくりと体を起こした
寝ぼけているのかボーっと辺りを見渡す沢城くんはどこか可愛らしく、わたしはくすっと笑ってしまった
その笑い声に反応した沢城くんがこちらを見てきたが、すぐに自分の異変に気付いた
「…あれっ?」
本来ならば眼鏡がかけてあるはずのところに何もないことを手で確認し、慌てたように下に視線を配り、眼鏡を探し始めた
ん?眼鏡はわたしがかけていて、さっきわたしのこと見たはずなのに、なんで気付かなかったのかな?と思っていると、机の下を探っていた沢城くんの頭がガンッと机にぶつかる鈍い音がした
「…った…」
「さ、沢城くん、大丈夫?!」
眼鏡を外し、慌てて様子を窺うと、打ち付けたところを手で覆う沢城くんが若干涙目になりながら、大丈夫ですと返事をした
その姿を見て、とても悪いことをしたなと罪悪感を感じたわたしは眼鏡を差し出し、沢城くんに頭を下げる
「これ…、実はわたしが…」
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