こんなとこまで来てわざわざわたしに告白してくれたし、それに場所が場所なだけに、さっきからクラスメートや廊下にいた生徒たちがみんなの視線が今、わたしに注がれている




もしこんなところでこんな絶世の美少年の沢城くんがわたしなんかに振られるなんてことがあったら今後の彼の高校生活に支障をきたしてしまう




そんなの申し訳なさすぎる!!




沢城くんがどうしてわたしなんかに告白してきてくれたかはわからないけど、こんな綺麗な人なんだから、きっとすぐに他の好きな人が出来るよね




と考えたわたしは少しの間、彼の名誉を守るために彼と付き合うことを決意した





「…それじゃあ、その、よろしくお願いします」




わたしがそう言って、深々とお辞儀をすると、周りからたくさんの拍手やおめでとーという祝いの言葉が飛んできた




そしてその返事を受けた当の本人はにこっと微笑んでいた




「こちらこそ、よろしくお願いします。ひなの先輩」




「…はぁ」





こうして、わたしと沢城くんのお付き合いは始まった




まだまだ謎が多い沢城くんだが、わたしは彼とうまくやっていけるのでしょうか?