沢城くんは甘い





「さ、沢城くん、こ、これ…」




「俺が戻ってくるまで着ていてください、絶対に」




謎の言葉を言い残し、沢城くんは向こう側へと走って行った




き、着ていろって言われても…こんなにびしょ濡れなわたしが着てたらセーターも濡れちゃうよぉ…



と思ったが、寒かったのでお言葉に甘えて着させてもらった




ふわぁ…袖ぶかぶか、裾もわたしの膝まであるからスカートが見えない




さっきまで沢城くんが着ていたおかげか、少しだけ温かい




セーターから沢城くんの温もりを感じていると、何かを持った沢城くんが近づいてきて、それをわたしに手渡した





「これって…」




「俺のジャージです。昨日洗ったばかりなので大丈夫ですよ」




いや、そういう問題じゃなくて




沢城くんに手渡されたそれは男子生徒専用の青いジャージの長袖の上下セットだった




確かに着替えはないけど、けど…





「いいの?わたしが着ても…?」