「すみません…」
顔を俯かせながらそう言う沢城くんにわたしは首を振る
さっきまで包まれていた温もりが、沢城くんの熱がなくなり、びしょ濡れの制服に身を包んでいるせいで一気に熱が失われていく
…もう少し、の間だけあのままでいてほしかったって思うのはいったい何故なのだろう?
「先輩はその格好で何でこんなところウロウロしてるんですか?」
「シャワー室に行こうと思って…」
「着替えは?」
「実は昨日持って帰っちゃたから、一紀ちゃんが今、他の人に借りにいってて…」
そこまで言うと、わたしは沢城くんの異変に気付いた
いつもならわたしの目を真っ直ぐ見て話すのに、今はずっと視線をそらされているというか、わたしを見ようとしない
見つめられるとドキドキしてしまうくせに、見られていないということに少しだけしょぼんとなってしまう
…変なの
気落ちしていると突然、沢城くんが目の前で自分の着ていたセーターを脱ぎだしたので、何事かと思うと、沢城くんはそれをわたしの頭の上から被せた

