また他の人たちに見られるのは恥ずかしいと思ったわたしは必死に沢城くんに呼びかける
「そ、その、沢城くん…、そ、そろそろ…」
『限界です』と言おうとしたその時、耳元で擦れるくらい小さな声でそっと囁かれる
「ごめん、先輩…もう少しだけ…」
そしてさっきとは比べ物にならないぐらい強い力でぎゅっと体を抱きしめられた
「な…な…な…」
男性にこんなに力強く抱きしめられたことのないわたしはもう体全体が心臓になったんじゃないのかってぐらいドキドキしている
どうしよう…どうしよう…と思いながら自然に目の前にある胸板に顔を埋めていると、トクントクンと心臓の音が聞こえてきた
そんなに大きな音が聞こえるほどわたしの胸は高鳴っているのか!!と思ったが、どうやら違うらしい
よぉーく耳を澄ましてみると、それは目の前の人物の胸から聞こえてくる心地良い胸の鼓動だった
どうやらこれは沢城くんの心臓の音なのだが…たぶんわたしと同じくらいの鼓動の速さだ、むしろわたしよりかずっと速い
…もしかして沢城くんも緊張しているのかな?
そう思い、自然に腕が沢城くんの背中に回されようとしたその時、肩を掴まれ、いきなり体を引きはがされる

