うへぇ…




靴下も濡れてるから歩くたびに足の裏から嫌な感触が…




早く温かいシャワーを浴びたい、と少し駆け足で廊下を走っていると、曲がり角で




「うわっと…って沢城くん?」




丁度こちらへと曲がって来る沢城くんと激突しそうになってしまった




沢城くんもわたしに気付き、びしょ濡れの姿にギョッと目をむかせた




「ちょっ、先輩!びしょ濡れじゃないですか!!」




「傘忘れちゃって…えへへ~…」




失敗、失敗と小さく呟きながら頭を掻くと、何故か沢城くんから痛いくらいの視線を浴びせられる




ていうか睨んでいる?




そーっと上を向くと、何故だが眉をひそめていて、とっても怒ってるように見えるのですか…、わたし何かしました?




すると頭上から突然





「先輩…、少しの間我慢してくださいね」




「えっ…?」





そしていきなりぎゅっと体が沢城くんの腕の中へと包み込まれた