一紀ちゃんの傘に入れてもらえるまで鞄を傘代わりにしていたせいか、制服はびしゃびしゃに濡れ、プリーツの裾から水がポタポタと滴るほどのレベル




「え、えへへ…」




「早くジャージに着替えなきゃって…あんたジャージある?」




昨日は体育があり、わたしは当然のようにそれを持って帰っていたので、その質問に首を振る




「マジかぁー、わたしも昨日持って帰っちゃたし…」




「大丈夫だよ、すぐに乾くと…くしゅっ!!」




そのクシャミのせいで一紀ちゃんがますます眉をひそめる




「あんた馬鹿じゃないの!?風邪引くに決まってるじゃない!もぉ~!!」




「ご、ごめんなさい…」




ガシガシと困ったように髪を掻く一紀ちゃんはとりあえずシャワー室に行って体を温めてこいと、その間にクラスメートや他のクラスの子たちにもジャージがあるか聞いてくると提案してくれた




確かに制服が濡れているおかげで肌寒い




一紀ちゃんの言葉に甘えさせてもらい、わたしはシャワー室へと向かった