ザァァァァァァァ




失敗した、完全に失敗した




前も見えないぐらいの豪雨の中、わたしは一人、鞄を傘代わりにして全速力で学校までの道のりを走っていた




すると後ろから




「ひなの!」




とわたしの名前を呼ぶ声が聞こえ、振り向くと、そこには友達の一紀ちゃんがいた




わたしの姿を見るなり、急いで駆け寄ってきて、わたしを傘の中に入れてくれた




「あんた何やってるの、こんな大雨の中、傘は!?」




「いやぁ~…、家から出るときはまだ降ってなかったので、大丈夫かなぁって思ってたら、駅を出るなりすっごい降り出しちゃって…」




「あんた馬鹿!?天気予報見てないの?今日の降水確率は60%以上なんだよ?傘を持ってこないとか非常識にもほどがあるだろう」




「面目ないです…」




学校までずーっと一紀ちゃんに説教されていました




そして校舎に入るなり、わたしの格好を見た一紀ちゃんは一言




「うわっ、あんた相当びしょ濡れじゃん!」