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「はい、沢城くん。北海道のお土産だよ~」
2日後、北海道から帰ってきた先輩は笑顔で修学旅行土産を渡してくれた
「ありがとうございます。どうでしたか、修学旅行、楽しかったですか?」
「うん!とっても楽しかったよ~~!!」
いつもはあまり見せてくれないとびきりの笑顔で修学旅行の思い出を語っている先輩に胸がきゅんとなる
写真も可愛かったけど、やっぱり本物の方が数百倍も可愛い
ひなの先輩が嬉しいのなら、俺も嬉しいのだが、少しだけどこかやるせない気分でいるのはきっと彼女の中の優先順位が友達>彼氏だからである
今もとびきりの笑顔を見せてくれるのは旅行中での大好きな友達との出来事を思い出しているからであって決して俺と3日ぶりに会えたからではない
悲しいことに
俺は毎日ひなの先輩のことを考えていたというのに…少しだけ胸が痛む
でも仕方がない
恋愛経験が明らかに不足している先輩はたぶん誰かに恋をするということをあまりよくわかっていない
俺と付き合ってくれるのはその場のノリというか、わざと先輩が断りにくい場所で告白したからであり、決して俺が好きだからという理由ではない
本当に、悲しいことに