というわけで新庄から思わぬ情報を聞いた俺はあっさりと志望校を決め、そしてそのまま先輩のいる六条宮へと入学したのであった




無事に先輩のいる高校に入学できたからと特に何かが進展するはずもなく、何もないまま一週間が過ぎようとしていた




その間、俺は電車の彼女が、園宮 ひなのという名前だと知り、今年の春に2年に進級したとこまで突き止めたが、結局声がかけられないままでいた




だがある日の移動教室で2年生の教室を通り過ぎたとき、先輩が教室へと入っていく姿を見つけ、俺は思わず声をかけてしまった




呼ばれた声で振り向いた先輩はずっと遠くから眺めるなんかよりもずっと小さく、可愛くて、ついその言葉が自然に口から出ていた





「先輩、付き合ってください」







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というのが俺がひなの先輩の恋人になるまでの過程なのだが、付き合いだすと俺はますます先輩の可愛さに惹かれていき




本当にいつも心臓が耐えられないぐらいぎゅーっと締め付けられるので、毎日大変である




ひなの先輩は恋愛の経験があまりないのか、当たり前なことに一々顔を赤らませて反応するから、本当に可愛い




もう既にかなりの回数の可愛いという形容詞を使っているが、ひなの先輩という存在自体が可愛いので仕方がないことだ




あぁ~…早く先輩に会いたいなぁ…




佐久間先輩から送られてきた先輩の写真を眺めながら、遠くの地にいる彼女に想いを馳せる昼頃なのであった