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ひなの先輩との出会いは一年前の春だった
いつもは予鈴ギリギリの時間に登校するため遅めの電車に乗るが、その日はたまたま何故か早く家を出て、いつもより3本ほど早く来る電車に乗った
大量のサラリーマンと学校へと向かう学生たちに嫌気がさし、明日は絶対にいつも通りの時間に家を出ようとむさくるしい電車の中、一人ため息をついていると、電車が次の駅の止まり、たくさんの乗客が入ってきたその中に
彼女はいた
朝の慌ただしく急変する人混みの中で彼女を見つけた俺は何故だがわからないが彼女を一目見た瞬間、急に心臓がドクンと高鳴り、そのまま動悸が激しくなっていった
その当時の俺はいったいこれが何なのかはわからなかったが、今思えばあれは世にいう一目ぼれというやつなのであろう
サラサラの黒髪に、大きな瞳、折れそうなくらい細く、小さな体
俺はそんな彼女から目が離せなくなり、彼女が目的の駅で降りるその時までずーっとその姿を眺めていた
彼女がいなくなった電車の中でも俺はずっと彼女の姿だけを思い浮かべては胸が高鳴り、体中が熱くなっていることに気付いた
そして、もう一度彼女を一目見たいと思っていた
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