修学旅行の一週間前からずっと先輩には旅行中でもメールを送ってくださいとお願いし続けて、今日の朝からずーっと待ち続けて、そして今やっとのことで届いたメールを胸躍らせながら開くと
そこに映し出されていたのは愛しい愛しいひなの先輩ではなく、綺麗に紫色に咲きほこる直前のラベンダーだった
…そういえば先輩たち、今日は確かラベンダー畑で有名なあのファームに行く予定だったな
添付されていた写真と申し訳程度に書かれていたメールは
『見て見て、頑張ってもうすぐ咲くんだよ。可愛いな~』
というような内容でほっこりと心が和んだが、違う!!俺が求めていたのはこれじゃない!!
俺が欲しかったのはひなの先輩の姿が写っている写真であって、決して花畑なんかではない
でも咲く直前のラベンダーを可愛いと思ってしまうひなの先輩、超可愛い
『そうですね。可愛いですね』と素っ気なく返事をして、携帯を机の上に置くと、目の前の新庄がストローでオレンジジュースを飲みながらじとーと俺を見ていることに気付いた
「何?」
「いや、お前わかりやすいやつだなぁーって…。さっきの着信、先輩からだったろ?」
「だから?」