「ストーカーって、俺はれっきとしたひなの先輩の彼氏!ふざけたこと抜かすと歯、全部折るからな」




「…お前マジでいっぺんその本性を先輩に見せてこい」




弁当をかっ込みながら、新庄のくだらない話に耳を傾けていると、携帯からメールの着信音が聞こえた




すぐさま相手を確認すると、ずっと待ち焦がれていたあの人の名前がディスプレイに表示されていた




ひなの先輩…




ディスプレイに表示された名前を見るだけで胸がぎゅーっと締め付けられて、苦しくなる




今日は朝から一度も姿を見かけなかった、というか見かけられるはずがない




何故なら彼女は今、北海道という遠い地へと飛び立ったからである




ひなの先輩は今年、2年生




だから彼女たち先輩方は今、修学旅行という名目で北海道へと飛んだ




何れ訪れる試練だとは思っていたが、何故この時期に行く必要がある?




今はまだ6月中旬、もうすぐ期末試験だってあるのに…なんで…




はぁ




こんなことをウダウダと考えているところでひなの先輩に会えるわけではなく、俺は仕方なくそんな愛しい彼女からのメールを開くことにした