恐る恐る目を開けると、目の前にあったはずの沢城くんの顔はなく、思わずほっと胸を撫で下ろしてしまった
「言いましたよね、俺、先輩に嫌われたくないので、無理やりはしませんよ」
「そっかぁ…、なんだ吃驚した…」
「今は、ね」
「…ん?」
最後の言葉が何か引っかかるが、今は聞かなかったことにしてあげよう
そしてわたしたちはそのあと、二人仲良く手を繋ぎながら、駅へと向かった
とりあえず今日の出来事でわかったことは、
沢城くんはわたしと付き合えて嬉しいと言ってくれたので、わたしも嬉しかったということ
沢城くんはとってもいい子で、潔いこと
だけど…
『今は、ね』
本当にただのいい子、なのかはまだ謎です

