「わ、ワンモアプリーズ...」




どうしても信じられないわたしはもう何度目かになる『もう一度』を彼に要求すると、さっきとまったく態度を変えずに綺麗な顔で涼しげな表情で




「俺と、付き合ってください。先輩」




と言った




何度も確認したがどうやらこれは本当のことらしい




なんとわたしに初めて告白してくれた男性は世にも珍しい絶世の美少年で、しかもその場所はわたしの教室のドアで、気付いたらたくさんの人に注目されていました




「駄目ですか?先輩?」




「だ、ダメとかじゃなくて、わたし…その、あなたのこと知らないし…」




「ちょっと!本気でそれ言ってるの、ひなの!!」




わたしたち二人の会話を最初から聞いていた友達の一紀ちゃんが話に割り込んできた




「この子、沢城昴流じゃない。この間の入学式で入試トップで新入生代表として檀上に立っていたじゃない!」




「えぇ…、そうだっけ?ご、ごめんね、その日近所の猫ちゃんの出産予定日だったからずっと上の空であまり覚えてなくて...」




一紀ちゃんはやれやれとため息をついたが、目の前の彼は何故だが手で口元を押さえ、必死に笑いを堪えようとしているところだった