沢城くんは甘い





「あーん」




んっ?




先輩は予想と反して、一切躊躇することなく、小さな口をめいっぱい開け、俺の持っているクレープに齧り付いた









ちょっ、待って




まさか先輩がこんなに積極的に自分から食べに来るとは思わず、心の準備をまったくしていなかったのでかなり不意打ちを食らう




いや、先輩はただクレープを食べているだけだ




そう、食べているだけなのに…なんでこんなに俺はドキドキしているんだろう?




先輩がなにかを食べている姿なんて今までたくさん見てきた




不意打ちってのもあると思うが、もしかしたら自分の手で先輩に何かを食べさせているからなのかもしれない




俺が内心めっちゃドキドキしていることも知らずに、ひなの先輩は小さな口で一生懸命口いっぱいのクレープを口に含んだのち、ぺろりと口の端についたクリームを舐めとる




たぶんひなの先輩は全然意識はしていないんだと思うけど、なんか妙に色っぽく見え、更に俺の胸を掻き立てる





「おいしぃぃ!!すっごくおいしい!!チーズケーキの初めて食べた!!」




お気に入りの味だったのか、咀嚼をしながらぴょんぴょんと飛び跳ねるひなの先輩をいつもなら可愛いと和むのだが、今はもう違う衝動を抑えるのを必死でそれどころじゃない