「この格好で可愛いって言われてもなぁ~…」
「でも本当に可愛いですよ」
いつもと違う格好に胸を躍らせているし、それにひなの先輩は何を着ても可愛い
可愛いものを可愛いと言って何が悪い
何度も可愛いと連呼しているのに、ひなの先輩は未だに複雑な表情を浮かべている
その時、ひなの先輩の目に何かが止まったのか、ある一点をじーっと見つめ始めた
ひなの先輩の視線の先にあるのは
「…美味しそうなもの持ってるね、沢城くん」
俺の右手に持たれた一口だけ齧ってあるクレープだった
さっきさすがに小腹がすいて一口食べたが、甘すぎてそれ以上は無理だった
一番食べれそうなチーズケーキを選んだはずだったが、そもそもチーズがそこまで好きではないことに気が付いたのは一口食べた後だった
本当になんで買ったんだろうと何度も思った

