「だーから!!あんたが今回の出し物の『新選組カフェ』を発案した張本人でしょうが!!沢城が『沖田総司』役で接客やるってのはクラスで満場一致の決定事項なのに、こいつったら今更になってやりたくないって言うのよ?!」





「誰もそれを承諾した覚えがないんだけど…」





文化祭の出し物を決めるホームルームのとき、いつものように爆睡をしていたら、また勝手に色んな事を決められていた





どうやらこのクラスは今、榎本の背中に引っ付いている女生徒、久留米が発案した『新選組カフェ』というものをやるらしく、店員は全員、新選組のあのやけに青い着物はもちろん、胸に実際の隊士の名前が書かれてあるネームプレートをぶら下げ、その隊士になりきったつもりで接客をしなければいけない





起きた時に、黒板に書かれていた『沖田総司 沢城昴流』という文字の意味がよくわからなかった




その意味がわかった途端にそれを断ったのだが、榎本が頑なにそれを拒否し続ける





接客自体めんどくさいのに、沖田総司になりきる?





ふっ、無理だろう





第一、沖田総司なんて名前だけは教科書でよく見かけるが、性格とかわかんねぇーし





「そうなんだ…へぇー」




いきり立っている榎本とは裏腹に、発案者の久留米は興味なさそうに返事をする