紅葉の季節が終わり、そろそろ冬の風が吹きそうな十一月初め




六条宮の文化祭開催まで一週間を切った




学校中、どこもかしこも自分たちのクラスの催し物の準備に追われている




六条宮では、文化祭の売り上げの八割は自分たちのものになるため、どこのクラスの奴らも張り切っている




そして、俺のクラスも相当やる気になっているのだが…





「沢城、あんたいい加減に文化祭当日に何やるか決めないと怒るよ」




「だから…、裏方でいいって言ってるじゃん。カフェやるんだったらお茶くみとか必要になるから、俺はそれで…」




「阿呆か!!」




最近毎日のようにしつこく文化祭当日の役割を聞いてくる進行係の榎本は、すごい剣幕で怒鳴った




「あんた、そんな綺麗な顔して裏方とかありえないでしょう!!無駄にイケメンなんだから、こんなときぐらいクラスの役に立ってみせないよ!!無駄にイケメンなんだから!!」




「別に、好きでこの顔になったわけじゃないから…」




というか、無駄って言ったな、二回も言ったな