「そうなったら俺、先輩不足で死んじゃうかもしれません」
「し…!?そんな大袈裟な…」
「大袈裟じゃないですよ」
沢城くんはとびきりの笑顔をわたしに向け
「俺、先輩がいないと生きていけないぐらい、先輩のこと大好きですもん」
恥ずかしげもなくさらりとその言葉を言ってのけた
「なっ…」
対するわたしはそんな言葉だけで胸が高鳴り、言葉を失ってしまう
今、絶対に顔赤くなった
そんなわたしの反応を見て、沢城くんは満足そうな表情をしているのが、くやしい
…本当に、沢城くんはずるいなぁ
本当は沢城くんが『しない』って言葉を言うまでねばるつもりだったけど
わたしはそっと手を差し出す
「…小指、だけなら握ってもいいよ」
そう言うと、沢城くんは自分の小指とわたしの小指を絡めた