というか何故そんなことを急に?
しかもまた教室のドアの前で呼び止められたもんだから、今回も周りの人からの視線が痛い
「な、なんで?」
「先輩っていつも電車を使ってご自宅と学校を往復していますよね」
「う、うん…」
「実は俺も電車で通っていて、しかも先輩が降りる駅よりも一つ後の駅が俺の降りる駅なんです」
「えっ!じゃあ結構家、近いんだね」
「だから、一緒に帰りましょう」
「…ん?」
だから何故そうなる?
そもそも沢城くんはどうしてわたしが降りる駅を知っているんだろうか…?
返事に迷っていると、またこの間のように隣にいた一紀ちゃんに『どうせいっつも一人で帰るんだから、一緒に帰ればいいじゃない』と諭され、わたしは思わず首を縦に振ってしまった
すると沢城くんは柔らかく微笑み
「それじゃあ、放課後迎えに来るので、待っていてください」
と言い残し、自分の教室へと戻って行った