沢城くんは甘い





会話が聞きたくてちょーっとだけあっちに近づこうとして、わたしははっとする




だ、ダメダメ!!




わたしは怒ってるんだから!!




こんなんだから沢城くんが調子に乗るんだ!気を付けないと!!




だけど、やっぱり二人が何の会話をしているのかを気になってしまい、あちらの二人に気付かれないようにチラチラと目配せをする






「…なんかすっごいこっちをチラチラ見てくるんだけど、完全に意地張り損ねているわね」




「そんな先輩も可愛いです」




「もしかして、この状況楽しんでる?」




「まさか。むしろ少し機嫌が悪いです。もし佐久間先輩が来なかったら、あのまま最後まで…」




「最後まで何するつもりだったの?」




「俺の口からじゃとてもじゃないけど言えないことです」




「…(エロ餓鬼)」





キーンコーンカーンコーン




そこで最終下校時刻のチャイムが鳴った