あまりにも突然のことでわたしも沢城くんも固まってしまい、扉の方に視線を向けると
「あっ…」
図書室に入ってきた女生徒、一紀ちゃんと目が合った
お互いに気まずい沈黙が続き、暫くした後、何故か開き直った様子の一紀ちゃんが
「ごめん!わたしのこと気にしないで、続けてどうぞ」
そう言って、扉の傍に座り、外の様子を窺い始めた
なっ…なっ…なっ…なっ…
「…先輩?」
「そ、そんなの無理に決まってるでしょぉぉぉぉ!!!」
ここでようやくわたしは自分のされていたことがどれだけ恥ずかしいことなのかを理解し、そして悶えた
*
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「せんぱーい、もうしませんからー、こっち来てくださいよー」
数メートル離れた先で沢城くんが優しく呼びかけてくるが、わたしはそれを無視する
ふんだっ、絶対に信じないもん、そんな言葉にわたしはもう騙されないぞ

