油断していた
完全に油断していた
ここ最近、めっきりこういうことが減ったから、完璧に忘れてたけど、沢城くんと二人きりになる時は要注意なはずなのに
ハロウィーンのせいもあり、すっかり頭の中から沢城くんへの警戒心がきれいさっぱり消えていた
前とは違って、沢城くんのこと好きって自覚してるから、いいんじゃんって思うかもだけど…
好きって意識してからのほうが心臓に悪い
「ず、ずるいよ…沢城くん。お菓子も悪戯もねだるなんてルール違反だよ!」
心臓はもうバクバクと高鳴っているが、精一杯の強がりでそう言うと、悪戯っ子みたいに目を細めた沢城くんは
「だって、俺にとっては悪戯する対象も、お菓子もひなの先輩なんですもん」
「ふぇ!?」
お菓子もわたしってどういうこと?!
わたしの頬を触れていた右手がわたしの首に移動する

