「だから、今日から一緒に帰りましょう」
「…えっ」
*
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あの図書室の出来事から一週間、わたしの予想とは裏腹に沢城くんは吃驚するぐらいいつも通りだった
いつも通りって言えるほどいつも一緒にいるわけではないが、あのことまったく意識していない、そんな素振りだった
そんな沢城くんを見てほっとしたわたしは初めはさすがに警戒していたが、彼があれから何もしてこないのでわたしも何事もなかったように接するようにした
それにあの出来事を思い出すたびに胸が高鳴ってしまい、普段通りに生活できないので、無理やり記憶から排除した
それでもたまの夢の中に現れてくるもんだから、火照った体を冷やすために冷水シャワーを浴びることが朝の日課になってしまった
なんだかんだで平穏に暮らしていたある日、沢城くんは提案された
「…帰るって、どこに?」
「…先輩は学校が終わった後、どこに帰るんですか?」
「家…だけど?」
「はい。だから、俺と今日から二人で一緒に下校しましょう」
やっぱり『だから』の意味がわからない