わたしの悪戯なんて可愛いもので、中には心臓が止まるような吃驚系の悪戯をする子もたくさんいる




その代表格が一紀ちゃんで、それを影から見ていたわたしは全身が震えあがった




それほど怖いものだった、というか数人ぐらい気絶したという噂がちらほらと聞こえてきて




一紀ちゃんを止めようとする教育実習の先生とそれから逃げる一紀ちゃんの追いかけっこをさっき目撃したぐらい危険なものだ




でもわたしはちゃーんとこの日のためにお菓子を準備したので、そういうことはありませんでした




「全力でハロウィーンを楽しんでますね」




「うん!だって、ほら見て!お菓子もこんなにたくさん!!」




鞄の中から今日の戦利品を沢城くんに見せつける




棒つきキャンディー、南瓜のタルト、黒猫型クッキー、コウモリチョコ




殆どが黒やオレンジといったザ・ハロウィンの配色で、見た目も凝っているから食べるのが勿体ないが、この数日は当分お菓子を買わずに済みそうなぐらいの量




食べるのが楽しみだなぁ~




「…へぇ~、じゃあ俺も楽しもうかな…」




「うん、そのほうが絶対いいよ!楽しいよ~」




あまりにもウキウキとしていたため、わたしはこの時、沢城くんが何かを企んでいる笑みを向けていたことにまったく気付かなかった