何事か!?と思わず駆け寄りたくなったが、ひなのの小さな後姿が震えていることに気付いた
自分自身を抱き締め、震える声で必死に
「大丈夫…大丈夫…ちゃんと言えた…大丈夫…」
そう自分に言い聞かせるひなのを見て、わたしはただそれを見ていることしか出来なかった
…そうだよね、怖くなかったはずないよね
自分を階段から突き落とした張本人と口を交えるということがどれだけ勇気がいることかわたしは知らない
それでも前に進もうと、震える体を必死に抑えながらひなのは最後まで自分のしたいことをやった
ねぇ、ひなの
あんたはさぁ、自分が弱いからとか、ずっとそんなこと思ってるかもしれないけど
わたしは、あんたほど強い子、知らないよ
誰よりも体が小さくて、脆いけど、ひなのはやっぱり誰よりも強い
今日は、そんなひなのがまた一歩、強くなった瞬間を見れて、わたしはもう満足だよ
…まったく、ひなのがこんなんじゃ、あいつはもっと頑張んなきゃな
頑張れよ、沢城昴流

