そりゃあ、いきなりそんなことを言われたら誰だって戸惑うよな
まさか虐めていた相手からそんなお願いをされるなんて…
何の反応もないまま数分経ち、ひなのはゆっくりと顔を上げる
わたしの方からじゃいったいどんな表情をしているのかがわからないが、何の迷いもなくあんなことを言ってのけた、きっと真剣な面立ちなんだろう
そんなひなのに心を動かされたのか、泣きぐずっていた一人がやっとのことで口を開く
「…わかった。あんたがそこまで言うんだったら…」
「稜…」
その言葉にホッとしたのか、ひなのはまた頭を下げ
「ありがとうございますっ…!!」
心からの感謝の言葉を言った
*
*
そんなことで色々とゴタゴタしていたが、やっとのことで終わり、上級生二人組が校舎に戻ろうと踵を返そうとすると
「…あのっ!!」

